巻寿司イベント情報

巻寿司海外レポート

海外でも大人気の「スシロール」!海外での巻寿司事情をご紹介します。

巻寿司海外レポート〜海外でも大人気の「スシロール」!海外での巻寿司事情をご紹介します。

巻寿司海外レポートNo.6 アメリカ・フロリダ編

今回の海外レポートはアメリカ・フロリダからのレポートです。
以前、お話を伺ったアメリカ在住のりょうこさんが開催した巻寿司教室の様子をレポートしてもらいました。
以下、りょうこさんからのレポートです。

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バレンタインデー前日の2月13日、アメリカ・フロリダ州ペンサコーラ市にある西フロリダ大学で、生涯学習プログラムの一環として巻寿司教室を開催しました。

ペンサコーラ市は人口5万人ほどの小さな町ですが、米軍関連施設が周辺に7カ所ほどあり、住人の中には横須賀、岩国、那覇、八戸に滞在経験があるという人もいて、日本に親しみを感じる人が多い町です。

今回の巻寿司教室の参加者は16人。西フロリダ大学の学生グループ「Argo Bridge Japan Association」(西フロリダ大学懸け橋日本学生協会)の会員で日本に興味を持つ学生が参加し、巻寿司を通じて日本文化を学びました。

ちなみに参加者のうち電気炊飯器を持っているという人が5人、日本に行ったことがある人が6人もいて驚きました。
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会場は、西フロリダ大学の国際センターの一画にある「ジャパンハウス」。
ペンサコーラ市と姉妹都市関係にある、岐阜県下呂市から取り寄せた飛騨杉造りの建物で和室もあり、まるで日本にいるような気分になります。

最初に、お米のとぎ方、合わせ酢の作り方、すし飯の混ぜ方などをお伝えしました。
男性参加者の一人から、

「お寿司を作ろうとご飯を炊いたけれど、レシピに『だしが必要』とあってあきらめた。“だし”って何のこと?」

との質問が飛び出しました。

お寿司を作るときの“だし”とは、合わせ酢を作るときの昆布などのうま味成分のことで、昆布がなければお酢と砂糖と塩だけでも大丈夫だし、急いでいるときには粉末状のだしがあるのでそれを使うとよいという説明をしました。

いよいよ実際に巻寿司を巻いていきます。
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用意した具材や調味料がこちら。
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アメリカ人はソースが大好きなので、日本のマヨネーズのほかポン酢、すだちポン酢、たまり醤油に加えて、シラッチャソースという若者に人気の辛いソース、スイートアンドサワーソース、卵を使わないビーガンマヨネーズも用意しました。

アメリカのキュウリは大きくて種もたくさん入っているので、スプーンで削ぎ取っています。 フロリダのアボカドは、メキシコ産のものより一回り大きく、皮の表面がつるんとしているのが特徴です。
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アボカド、キュウリ、かにかまのほか、スパム、鮭フレークも用意しました。
鮭フレークは、瓶入りのものが入手できないため、ピンクサーモン缶の中身を炒って作った手作り品です。

最初に作ったのはハート形の「ミニ巻寿司」。
バレンタインデー用にカラフルにしたかったので、海苔の代わりに「ソイラッパー」という大豆でできた薄いシートを使ってみました。
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ケーキ用のスプリンクルシュガーを使って色付けして「あま〜い」お寿司ができました。
花のように飾ったり2色の色を使ったりと、学生たちのクリエーティビティーに感心しました。
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続いて、おなじみのカリフォルニアロールです。
巻きすにラップを巻き、その上にすし飯を置きます。続いて海苔を敷き、具を載せて巻いていきます。
途中、具がこぼれ出てしまう人、うまく閉じられない人などいましたが、皆なんとかきれいな円柱型に巻くことができました。
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ジャパンハウスには桃の節句を前にお雛様が飾られていたので、その横でメンバーと記念撮影。
前列左端が私です。
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これからも「巻寿司」を通じていろいろな人と出会いたい、アメリカでも長-い1本の巻寿司を大勢で作ってみたいと思っています。

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以上、アメリカ在住のりょうこさんからのレポートでした!

2016/3/31|

巻寿司海外レポートNo.5 マレーシア編

海外巻寿司レポート マレーシア編

 

マレーシアは、タイと隣接するマレー半島南部と、ボルネオ島北部を領域とした国です。

多民族国家なので、民族ごとに違う言葉を使用しているそうです。

 

首都クアラルンプールに10年在住している稲垣さんに、現地の巻寿司事情についてお話を伺いました。

稲垣さんの奥様はマレーシアの方なので、夫婦間での会話は日本語、親族間ではマレー語、

義両親とは広東語、義姉とは北京語で会話をされるそうです!

 

 

さて、話を巻寿司に戻して、

マレーシアで人気がある寿司ネタといえば、サーモンやウナギです!

 

甘党のマレーシアの人々には、ウナギやアナゴの甘だれが好まれるようです。

生魚が食べられない人も多く、マグロやトロは日本ほど人気がないそうです。

モール1モール2

こちらの写真は、マレーシアのショッピングモールにある巻寿司コーナーです。

日本のスーパーマーケットのお惣菜コーナーのようですよね。

 

よく見ると、「UNATAMA MAKI」や「TAZUNA MAKI」など

メニューがローマ字で記載されています。

日本人にはわかりやすいですよね!

 

2枚目の写真の巻寿司のお値段は、

1パックが、マレーシア通貨16.8RM(リンギット)=約450円でした。

(2016年2月現在)

ショーケース2ショーケース1

こちらは、同じくマレーシアのショッピングモールの握り寿司コーナーです。

ショーケースにきれいに並べてあり、日本ではあまり見かけない販売形態ですね。

 

こちらは、マレーシアのスーパーで買ってきた巻寿司です。お皿の上の巻寿司

中に巻いてある具やハランまで、見た目は日本のお寿司と変わりませんが

味付けは、とにかく甘いんです~!

具材の海鮮に甘だれの味付けがしてあります。

マレーシアのたこ焼きは、中身の蛸も甘だれなんだそうです!

 

もう1つの特徴は、シャリが酢飯ではなくて普通のご飯ということ。

米は日本産ではなくて、カリフォルニア産や韓国産、ベトナム産が多いそうです。

 

マレーシアは中華系の住民も多いので、旧正月(春節)の時期は店内は真っ赤になりましたよ。

スーパーの店内もこの通り。

 

春節店内

こちらは、街中にあった生春巻きスタンド。

ポピアー1

「POPIAH(ポピアー)」というそうですが、

そこに海苔で巻いた巻寿司ようなものを発見!!!

なんと中身は酢飯ではなく、野菜の千切り!

注文すると店員さんがくるくるっと手早く作ってくれるそうです。

 

 

どんな味がするのでしょうか?

近いうちに試してみたいと思います♪

以上、マレーシアからのレポートでした。

 

2016/2/25|

No.4 アメリカのお寿司事情

海外レポート第五弾は、前回に続いてアメリカからのレポートです。

今回は、カリフォルニアとフロリダを行き来するりょうこさんにお話を伺いました!

以下、りょうこさんからのレポートです。

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アメリカにはハワイも含めて全部で50州ありますが、
日本食レストラン軒数が一番多いのは、私の活動圏であるカリフォルニア。
次いで、ニューヨーク、フロリダの順だそうです。
(※日本貿易振興機構(ジェトロ)調べ)

アメリカ人に日本のイメージを聞くと、
「富士山、芸者 (Fujiyama, Geisha)」という答えがほとんどでしたが、
時代が変わり今では、酒、寿司、豆腐、枝豆、天ぷらはじめ、
豚カツ、ラーメン(とんこつ風味が人気)、お好み焼きといった
日本の家庭食やB級グルメの名前があがります。

さらに近年の健康食ブームも追い風になり
、ヘルシー、ローカロリーというイメージのお寿司は
すでにアメリカの食文化の一部となっています。

大手スーパーではたいてい、魚売り場の近くやグルメ食品コーナーに
巻寿司とベトナム風生春巻きが置かれています。
これは「巻きもの」をひとくくりにしているというよりは、
牛肉などの「レッドミート」を敬遠する層のための
「野菜巻き」という位置付けだそうです。

巻寿司人気はさらに、「グルテンフリー(Gluten-free)」にこだわる知識層
(グルテンという小麦に含まれるタンパク質をとらない主義)、
さらに卵や乳製品もとらない徹底した菜食主義の「ビーガン(Vegan)」族にも広がっています。

今後は、白米ではなく玄米、また有機米やエアルーム(heirloom)米といわれる
遺伝子組み換えをしていないお米を使った巻寿司が人気になりそうですね。
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玄米で巻いたカリフォルニアロール

ヘルシーであるという以外に、
巻寿司がアメリカ国民に受け入れられた理由としては、
アボカドを外側にあしらったキャタピラーロールをはじめ、
具材や盛り付けを変えるだけで個性が出せ、
さらにフィラデルフィアロール(クリームチーズを入れたもの)など
「ご当地ロール」が全米各地で開発され、それが浸透していることがあります。

また、天かすを振りかけたり、巻寿司そのものを油で揚げたり、
いろんなバリエーションが楽しめるため、
料理人の創作心をくすぐるのも大きな理由だと思います。

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外側にアボカドを使たキャタピラーロール

ちなみにタイ料理や中華料理の「食べ放題 (Buffet)」のレストランには、必ず巻寿司が前菜コーナーにあります。
アメリカ人はフィンガーフードといわれる、ちょっとつまめる食べ物が大好き。
特にコロコロした形の巻寿司は、握り寿司よりも人気が高いと思います。

またアメリカ人は「ソース好き」でもあります。
お醤油を器に入れ、そこにわさびを加えてお箸でかき混ぜる
「わさびソース」をその場で作り、
巻寿司をひたひたに浸して食べるのが一般的で、
これがまたアメリカ人の心をくすぐるのかもしれません。

スパイシーソースという、マヨネーズとケチャップを混ぜて
唐辛子を入れたようなものも使い切りサイズで別売りされていますよ。

私が語学を教えているアメリカの短大や大学では、
どのクラスも期末試験は巻寿司大会が定番です。

参加者全員が楽しめ、作る過程や味わう体験を共有できる
日本文化の教育材料として巻寿司は最適なんですよ。
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私がお寿司の人気を実感したのは、ある出来事がきっかけでした。

それは、フロリダ州ペンサコーラカレッジで
子ども向けにいくつかの外国文化が体験できるサマーキャンプを企画し、
日本のクラスの説明文に「お寿司を作るかもしれません」と書いたところ、
生徒がすぐに集まったのです。

キャンプ初日から「スシ、スシ」のラブコールがあがり、
6歳から12歳までの子どもたちが巻寿司作りを楽しみました。

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生徒たちに「太巻きと外巻き(裏巻き)と、どっちがやりたい?」と聞くと、
全員が外巻き(裏巻き)を希望していました。
外見が「真っ黒」な海苔はアメリカ人にとっては受け入れにくく、
大人も子どもも苦手な人が多いです。

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そのため海苔の代用品として、
大豆を原料とする薄いグリーンやピンクに着色された
「ソイラップ」と銘打ったシートも売られています。

巻寿司が受け入れられている部分とそうでない部分があること、
そしてその理由は、文化の違いが大きいことを改めて感じました。

ちなみに、日本では「まきずし」と「ず」を濁音で発音しますが、
口の筋肉の動きが異なる英語圏では、「まきすし」と「す」で発音します。

私は毎年、西フロリダ大学の生涯学習センターで
大人にも巻寿司作りを教えていますが、
2月のバレンタインデーに行ったレッスンでは、
桜デンブの代わりにクッキー作りに使うピンク色のスプリンクルを
寿司飯に混ぜて作ったピンク色の巻寿司が人気でした。

フルーツや生クリームを入れる女性もいて、
私自身もアメリカ人たちの自由な発想に驚かされます。

これほど人気のお寿司ですが、
「お寿司=生の魚」というイメージもあり、
全く受け付けない人もいるようです。

そこで私の教室では、カリフォルニアロールに加えて
「スパム」というハワイで人気のハムのような缶詰を使った
「スパム巻」まどを作るなどして「好きな具材を入れて楽しめる」ことを強調しています。

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これからも日本の巻寿司を、アメリカでもっと広めていきたいと思います!

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以上、アメリカ在住のりょうこさんからのレポートでした!

2015/11/26|